長野県飯田市で起きた悲劇：4人が犠牲になった水門衝突事故

事故が起きたのはどんな場所？

2024年4月24日、長野県飯田市で、若い男性4人が乗った車が水門に衝突し、命を落とす事故がありました。
場所は天竜川沿いの堤防道路です。

この道は一見まっすぐに見えますが、実はアップダウンがあり、カーブも多いのが特徴です。
特に事故現場の手前は上り坂になっていて、運転中は前方がほとんど見えません。

「気づいたときには遅かった」という状況になりやすく、普段から運転する人たちの間でも「危ない場所」として知られていました。

事故現場には、水路を越えるために道が少し高くなっている場所があります。
これは、農業用水などの流れを邪魔しないために作られた構造です。

しかし、この「ちょっとした起伏」が、車に大きな影響を与えます。
スピードを出していると、車が軽く跳ね上がることがあり、ハンドル操作が難しくなるのです。

さらに、起伏を越えた直後には左にカーブが待っています。
視界が悪い状態で、いきなり曲がらなければならないため、非常に危険なポイントでした。

今回だけでなく、実は20年以上前にも同じ場所で死亡事故が起きていました。
また、600メートルほど上流でも車の転落による死亡事故が発生しています。

つまり、この道路の危険性は以前から知られていたのです。
それでも大きな対策が取られないまま、また新たな犠牲者が出てしまいました。

警察の発表によると、事故車はかなりのスピードで走っていたとみられています。
車は水門の管理用の橋に天井から衝突しており、かなり強い衝撃だったことが分かっています。

「もう少しスピードを落としていれば」「標識がもっと目立っていれば」
そういった小さな工夫があれば、防げたかもしれない事故でした。

現在、警察が詳しい状況を調べています。

現場を知る人たちは、「あそこは前が見えないから危ない」と口をそろえます。

犠牲者たちが働いていたアルバイト先の関係者も、
「これから社会に出るはずだったのに、こんなことになるなんて…」と、涙ながらに語りました。

地域にとっても、若者たちの未来が失われたこの事故は、大きなショックとなっています。

今回の事故を受け、堤防道路にはいくつかの安全対策が求められます。

たとえば、
・スピード制限をさらに厳しくする
・ガードレールを設置する
・見通しの悪い場所に警告標識を設置する
といった対応が考えられます。

しかし、こうした工事には時間も費用もかかります。
一刻も早い対応が求められる一方で、地域ぐるみで取り組む覚悟も必要です。

安全な道づくりは、行政任せではできません。
私たち一人ひとりが、危険な道を走るときに「無理なスピードを出さない」という意識を持つことも、大切な対策のひとつです。

亡くなった方のご冥福をお祈り致します。

二度と、このような悲劇が起こりませんように。