特別支援学級で経験したことを、少しずつ綴っていこうと思います。
少しでも参考になると幸いです。
特別支援教育って何?基本から知るべきこと
今回は「特別支援教育とは何か」ということにについてお話しします。
「特別支援教育ってどんなもの?」と考えたことはありませんか。
特別支援教育の目的や対象・種類と対応方法について、分かりやすくお伝えしていきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
特別支援教育の目的
子どもひとりひとりの特性や課題に合わせた支援を行うことで・・・
・誰もが安心して生活できること
・自分らしく成長できる環境を作ること
<例>
『落ち着いて授業を受けられない子ども』 → 心を落ち着ける空間を準備する
『勉強が難しいと感じる子ども』 → 分かりやすい教材を使う
大切なのは、子どもが『苦手』なことで困らないように工夫すること。
『得意』なことを伸ばしながら『苦手』を少しずつ減らすための大切な支援です。
対象となる子どもの特徴
特別支援教育の対象になる子どもは何が苦手なのでしょうか。
(ここでは、分かりやすく簡単にまとめました)
学習障害(LD)
読む・書く・計算するといった学習が苦手で、一斉学習の学び方だけでは理解しづらい。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)
集中が続かなかったり、じっとするのが苦手だったりと行動面に苦手がある。
自閉スペクトラム症(ASD)
コミュニケーションが苦手だったり、特定のルールや習慣に強いこだわりがある。
情緒面で不安定な子どもたち
突然泣き出す、怒りを抑えられないなど、気持ちを抑えることが難しいなど・・・。
一人一人の苦手なことや困っていることに合った支援を受けることで、
自分の得意なことを伸ばしながら生活できる力をつけていきます。

特別支援教育の種類とその対応方法
特別支援教育には、子どもの状況に応じたさまざまな種類があります。
それぞれの特徴と対応方法を見てみましょう。
1. 情緒学級

感情のコントロールや人との関わりに不安を抱える子どもが対象です。
この学級では、安心できる場所を作ることが一番のポイント。
<例>
『落ち着けるスペースを準備する』 → しきりなどを使い周りが気にならない空間
『ゆっくり話を聞く時間を作る』 → 1対1で子どもと向き合う
2. 知的学級

学びのペースがゆっくりな子どもが対象です。
分かりやすい教材や段階を踏んだ教え方がポイント。
<例>
・教材の準備 → 子どもに合わせた学年の単元や教材の準備
・生活単元学習 → 生活の中で必要な目標や課題を解決する
3. 通級指導教室
通常のクラスに通いながら、必要な時間だけ特別な支援を受ける教室です。
読み書きやコミュニケーションの練習など、子どもに合わせた計画を立てて学びます。
特別支援教育の体験談

私が初めて特別支援学級の担任をした時のことです。
それまでの学習面・生活面のことを聞いていても、実際に指導すると上手く行かないことばかり。
冷房も暖房も整備されていない部屋。
一人になるスペースのない空間。
環境ができていないところからのスタートは、たくさんの壁がありました。
幸いだったのは、交流担任の先生方がとても優しく協力してくれたこと。
相談しながら試行錯誤した日々の中で、良い日もあれば悪い日もある。
「この子はこういう風に感じるんだ・・・。」
それに気づくことができたのは、子どもたちと出会ってから数か月経っていました。
自分の中で一番変化を感じたのは、『視点』でした。
成功体験・失敗体験共に、子ども一人一人の行動と原因を分析することで、
前向きに一つずつ一緒に解決していく。
そういう気持ちを持てるようになったと思います。
知識として特別支援教育を知るだけでは、気づくことができなかったこと。
今日の経験を明日に生かす。
その大切さを知った1年です。
まとめ:特別支援教育が教えてくれること
特別支援教育は、ただ「特別」な方法を使う教育ではありません。
子どもたち一人ひとりの特性や課題に寄り添い、その子が安心して学び、
生活できる環境を作るためのものです。
※整理整頓が苦手な児童には、整理整頓できる工夫など。
たとえば、
- 学ぶ方法を工夫してその子の「できる」を引き出す。
- 落ち着ける場所を用意して心の安定をサポートする。
- コミュニケーションの練習を通じて社会とのつながりを作る。
これらはすべて、子どもたちが自分らしく成長するための大切なステップです。
もし、特別支援教育に興味がある方や、身近に支援が必要なお子さんがいる方は、
一度学校の先生や専門家に相談してみてください。
特別支援教育は、子どもたちの未来を明るくするための場所。
そのことを知って頂けると幸いです。