情緒学級と知的学級の支援内容
情緒学級と知的学級の違いについて分かったところで、
今度はそれぞれの学級でどのような支援が行われているかを見ていきたいと思います。
支援の内容を知ることで、子どもたちの学校生活がどのようにサポートされているのかを
イメージしやすくなるのではないでしょうか。
情緒学級での支援内容
情緒学級では、子どもたちが安心して過ごせる環境作りが大切です。
不安な気持ちや緊張をほぐし、少しずつ心を落ち着かせる時間を持てるように、
次のような支援が行われています。
- 感情のコントロールを学ぶ活動
自分の気持ちをうまく表現できるようになるため、
絵カードを使ったゲームや日記を書く活動があります。 - 個別のスケジュール管理
一人ひとりのペースに合わせて活動を計画し、無理のない生活が送れるようサポートします。 - 人間関係の練習
他の子どもたちと仲良くなる練習として、ロールプレイやグループ活動を取り入れています。
情緒学級では、子どもたちが「今日はこんなことができたよ。」と、
自分の成長を感じられる成功体験を増やしていくことが大切です。
知的学級での支援内容
知的学級では、学びや生活の基礎を身につけることが中心です。
日常生活で役立つスキルを少しずつ身につけられるよう、次のような取り組みが行われています。
- わかりやすい教材の使用
イラストや実物を使った教材で、目で見て理解しやすい工夫がされています。 - 生活習慣の指導
食事の仕方やお金の使い方など、日々の生活に必要なスキルを練習します。 - ゆっくりとした学びのペース
一つの課題にじっくり取り組み、できたときの喜びをたくさん感じられるようにサポートします。
学級選択のポイント
「情緒学級と知的学級、どちらがうちの子に合っているんだろう?」と悩む
保護者の方も多いと思います。
それでは、どのように選べば良いのかご紹介しましょう。
- 子どもの特性を知ること
子どもの得意なことや苦手なことを見つけ、それに合った学級を選ぶことが大切です。
例えば、感情のコントロールが難しい場合は情緒学級、
学びの遅れが大きい場合は知的学級が向いているかもしれません。 - 専門家に相談すること
学校の先生や心理士など、経験豊富な専門家の意見を聞くことで、より良い選択ができます。
就学相談などで心配なことがあれば相談してみるのもおすすめです。 - 見学や体験をすること
実際に学級を見学して、雰囲気や支援の内容を確認することも大切です。
子どもが安心できる場所かどうかを直接感じることで、選びやすくなりますよ。
体験談
特別支援学級担任をしたことがない若かりし頃のお話です。
当時の特別支援コーディーネーターに、入級を勧められた児童がいました。
「自分の子が特別支援クラスに・・・。」
保護者はショックを受けながらも、子どものためになるならと情緒学級への入級を決めたのです。
(※入級するまでの流れは別の機会に書こうと思います)
しかし、問題が起こったのはここからでした。
入級の決定通知書に記載されていた、『障害』という言葉に保護者がショックを受けて、
とパニックになってしまったのです。
その後、特別支援コーディーネーターとの話し合いを重ね、予定通り入級が決定しました。
卒業を迎える頃には、苦手なことを乗り越え成長する姿が見られて嬉しかったのを覚えています。
保護者も1年また1年と進級していく中で、特別支援学級を受け入れてくれたからこその、
結果だったのではないでしょうか。
この時の経験から、特別支援学級について知り子どもに適切な指導を行えることだけではなく、
ご家族の心を支えることも大切だと、改めて感じました。
まとめ
情緒学級と知的学級では、それぞれ違った支援が行われています。
どちらも子どもたちが安心して学べる環境を整えることが目的です。
子どものことで『気になるな・・・』と迷ったときには、学校や専門家に相談したり、
学級を見学したりしてみましょう。
子どもと家族が一緒に考え選んだ環境で、子どもたちは笑顔で成長していけるのではないでしょうか。
その時には、子どものことだけではなく保護者の不安や悩みも、ぜひ話してください。
子どもの成長には、家族の笑顔や愛情が必要不可欠です。
だからこそ、保護者と学校・専門家が信頼関係を築くことも大事にしないといけません。
今回は、情緒学級と知的学級について少しでも知ってもらえたら幸いです。
そして、『自分だけで悩まない』で、周りに相談する勇気を持って貰えると嬉しいなと思います。